« 建築士の独り言2012③ | トップページ | 建築士の独り言2013① »

2012年7月19日 (木)

建築士の独り言2012④

日本の住宅の大半が木造で一般的に軸組み工法と呼ばれる方法で作られている

建物が大半です。その中で3階建てについては確認申請上構造計算書の添付が

義務付けられていますので構造計算がなされているのが確認されますが、

木造2階建て以下の住宅については構造計算書の添付が免除されています。 

ここで言う構造計算書とは、許容応力度計算または限界耐力計算に基づく構造安全性

の計算を記載した書類のことで、柱および梁の1本ごとの計算から、耐力壁の

耐震・耐風強度、床剛性、偏心、基礎などの計算を行い、計算書はA4用紙に印刷

して200頁を超える膨大なものです。

計算書作成の費用もかかってきます。2階建て以下の木造住宅については

構造計算書の提出が免除されていますが、近い将来にこの特例は撤廃される

ことになっています。(立法化はすでに終わっています)

 しかし、なぜかいまだに特例は廃止されていません。ですから木造軸組み工法で

2階建て住宅(200㎡以下)で構造計算がなされている建物はほとんど無いのが

現状です。確かに金物の配置などを検討するN値法、とか壁量と4分割法など、

簡易的な構造計算はされているケースも多いですが、あくまでも簡易計算で

あって、科学的に構造検討をされたわけではありません。ですから実際地震

などの外力がきちっと検討されているのではないので倒壊するかも知れません。

それも検討をされていないのが現状です。

品格法で長期優良化住宅として申請される場合は、構造計算が必要になります。

 ではなぜ廃止されないのでしょうか。ネットのあるアンケート調査によると、

反対意見の大半は既存の工務店で、構造計算等の費用もかかるし、

受注も減るので、反対という意見が大半です。

 これっておかしいのではないのでしょうか。もちろんコストの件は消費者に

かかわる問題ですが、受注が減るなんてことは、消費者目線に立っているとは

思えません。安全性を無視して消費者のためとは絶対いえません。ですから

早く廃止されることを望みますが、 現状でも2階建てでも構造計算しても

言い訳ですから、この際安全で品質を売りとするためにも、構造計算を

することをお勧めします。

|

« 建築士の独り言2012③ | トップページ | 建築士の独り言2013① »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 建築士の独り言2012④:

« 建築士の独り言2012③ | トップページ | 建築士の独り言2013① »