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2009年3月11日 (水)

建築士の独り言⑤

つい2週間ぐらい前にインターネットのニュースである超大手ゼネコンが建てている50階建ての超高層マンションでもう少しで最上階が積みあがるといい段階で中間階付近の柱に亀裂が入るといい事故がありました。ニュース記事を引用すると

「事故の直接的な原因は、PCa柱の接合部のすき間にグラウト材を充てんしていなかったことだ。

 柱の断面は約90cm四方の大きさがある。接合部の断面にはまず、外周に幅6cmのグラウト枠を設置する。次に、グラウト枠で囲まれた断面の中央にグラウト材を注入して充てんする計画だった。柱のコンクリートの強度は70N/mm2。グラウト材とグラウト枠も、ともに70N/mm2以上の高強度無収縮モルタルを材料に使う。

 グラウト材を充てんし忘れたことで、柱の断面全体にかかるべき荷重が、グラウト枠の範囲だけに集中。上層階の施工が進むにつれて柱に加わる荷重が増え、50階までほぼ建ち上がった段階で、接合部が耐えきれなくなって圧壊したとみられる。高層マンションの施工に詳しいある専門家が試算した結果、事故当時は柱1本当たりに500t以上の荷重がかかっていた。 」とあります。

この記事を見て本当に驚いてしまいました。これが事実ならこの建物は欠陥見いいいとこで、いつ倒壊してもおかしくない問い言うことになります。

500tもの荷重がかかり、柱が圧懐するといいことは尋常なことではありません。しかし情報としてはこの記事があるだけで、どのように対処したのかほとんど外部には出てきません。マンションの購入者は被害者であるのはもちろん、付近の住民、ましてやこのマンション鉄道の駅のすぐ真上に建っていて、周りにはションピングセンタ-など商業施設もたくさんあり、もし倒壊した場合甚大な被害が起こります。数年前の姉歯事件のときマスコミを始め周囲は建築士の資質を説いて、さまざまな法律が改正されましたが、このように施工ミスで欠陥が起きた場合、組織ぐるみで隠蔽をしてその情報はなかなか出てきません。私は姉歯事件よりこちらのほうが根が深く、そして数も半端ではないと思います。大手ゼネコン、行政、大手デベロッパー、そういった場合力関係で隠蔽が行われ、消費者に、情報がほとんど出てきません。検査、検査で保険法人、確認検査機関でいくら検査をしても肝心の造り手の技術が低下していては決して欠陥は見つかりませんし、品質向上はまったくおぼつかないと思います。しっかりとした監理者と、しっかりとした施工者がいて初めて品質が保たれるのです。これは超高層のような大型の物件だけの問題ではなく、住宅のように庶民の生活する空間にも及んでいます。いかにして欠陥が無い品質が保たれた建物にするかは、現場携わる技術者の技術の向上が一番のやり方だと思います。

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