2017年7月27日 (木)

建築士の独り言2017⑤

新国立競技場の建設現場で23歳の若者が長時間労働の末

自殺してしまった、いたましいことがありました。

長年建設業界は3K職場とも言われ、「きつい、汚い、危険」、が付き物

とされてきました。おそらく環境は様々改善されても、他業界と比べると

その性質は変わっていないのではないかと思います。

私も30年前には建設会社の現場監督をしていましたが、その頃も

長時間労働は当たり前で、若い新入生(大卒でも)現場労働者と

同じように泥だらけになって働いていたものです。

しかしその時代ノミュニケーションといって、上司、同僚との

コミュニケーション、良くも悪くも、愚痴を言い合い、

無礼講で上司の悪口、先輩のアドバイスなど、

様々なコミュニケーション、ストレス解消に役立っていたのではないかと

思いますし、そのコミュニケーションで、技術の伝承も

行われていたような気がします。

それは大変重要なことで、先輩の仕事術を盗めるいいきっかけ

だったと思います。最近の風潮で個人主義はさも現代風

のように思われていますが、それは孤独という弊害も

生まれているのではないでしょうか。

この自殺した若者は非常に孤独だったのではないでしょうか、

こういった過酷な現場ほど人間同士のおせっかいが

救ったのではないでしょうか。残念でなりません

ご冥福をお祈りします。

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2017年6月25日 (日)

建築士の独り言2017④

少し前になりますが高速道路の建設現場で鉄板がフックからはずれ

作業員の方1名が亡くなるという傷ましい事故がありました。

この工事現場では以前にも事故があり、また最悪の事故では橋げたが落ちて

複数の死亡者とけが人もでている事故が起きています。それも1年もたたないうちに

です。この発生率はこの近年においてはかなり異常なことです。

亡くなった方にはお気の毒ですが、近年杭の支持層まで達していないことだとか

配管用の梁貫通を忘れコアで鉄筋(主筋)まで切ってしまったとか、建物にとって

建て直さなければなおらないような致命的なミスが建設現場で数多く起きています。

なぜこのようなことがおきているのか、大きく考えられるのが、失われた20年バブル

崩壊後企業の人材採用の穴が開き技術伝承がうまくできなかったこと、企業はマニュアルを

作って職人の域の技術伝承の変わりに、マニュアルをつくりそれに変わるものとした。

しかし応用の現場ではマニュアルでは対処できないことが頻繁におきてします。

そのときに物を結うのは経験に基づく職人としての技術です。これは決して

机上では教えられないことです。

設計の現場でもその現象は見られます。見た目のデザインにだけに気を取られて

建物の基本である人間の生命を守る家という概念を忘れてしまっているのです。

早く住宅の建設現場でも構造チェックがなされることを節に願います。

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2017年5月 1日 (月)

建築士の独り言2017③

先回の独り言にも書きましたが、日経アーキテクチュアの紙上シンポジュームでも

4号特例の廃止の議論があり一般的に4号建物に建築士の構造チェックは

行われていないのが大半であるというう議論でした。そのために

プレカット工場で描かれた伏せ図で接合金物や、HDなどはプレカット工場と

施工会社、販売会社の担当者レベルで決めていたのではないかということです。

4号建築物は特例で構造審査がない。3号建築物になると審査がある。

2号建築物になると構造設計一級建築士でかつ適合判定。

専門家が関わっているもののほうがチェックが厳しく、

関わっていないほうがチェックが甘いのはやはりおかしいとおもいます。

見直すならこちらが先だと思います。

4号特例は審査が省略されているだけ。

実際の構造検討はされているはずなですがそれがなされていないのはおかしい。

では審査する側の怠慢なのでしょうか?

4号特例廃止で困る業態といえば、1日○○○棟建てるとか謳っている

建売住宅メーカーでしょうね。

恐らく設計にまともな建築士は携わっていないでしょう。

数だけが勝負ですから壁量チェックなどされればその分審査が

1~2日延び着工が遅れると文句を言うことでしょう。

日本に無くてよい業態です。

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2017年4月14日 (金)

建築士の独り言2017②

熊本地震が発生して1年がたちました。いまだに復旧復興の途上にあり被災された

方々には心よりお見舞い申し上げます。

建築士の責務として建築基準法の基本目的である国民の生命、健康及び財産

の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資する。とあります。

まさに建物は生命財産を守るものでなければなりません。

熊本地震では

建物のうち新しい耐震基準で建てられた建物も倒壊という最悪の状態に

なっている建物がいくつもあるという調査がなされていました。

あたらしい耐震基準は震度7でも建物は壊れることはあっても倒壊はしない、

そして人命は守るという考え方の基に定められたものです。

しかし倒壊した。なぜなのかを検証する内容でした。

先回も述べたように、2階建ての木造住宅では科学的な根拠に基づく

構造計算がなされていないのが現状です。ですから簡易型の仕様対策では

このような大きな揺れには対応しきれないといううことが実証されました。

4号建物といわれるものも科学的な構造計算に基づく構造設計が必要なのです。

調査した結果現在新しい基準で建てられた4号物のうち科学的な

構造計算で計算しなおうと7割はNGという結果がでています。

今回の熊本地震級の地震が起きた場合7割近くは倒壊の危険があるということです。

早く熊本地震の教訓を生かし、少なくとも科学的な根拠の有る構造計算が

なされることを節に思います。

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2017年2月22日 (水)

建築士の独り言2017①

国交省のHPに建築士の懲戒に関する資料が毎年でていますが、

いまだに名義貸をして懲戒になっている建築士がいることはまっとうに

建築士業務を行っているものには残念でなりません。

以前建築士事務所協会、建築士会と一線をかくすために

建築家協会として設計監理専門集団として施工会社

に対して第三者としてクライアントに対して望むべき設計士を

目指す集団としての集団に身をおいたことがありますが、

建築士としての職能集団としてのクライアントに対する

アピールをあまりにしなさ過ぎるので脱会をしましたが

建築士の職能をクライアントにアピールするためには

建築士としての知識、モラル、そして社会的ステータスの

向上をもっと目指すべきと思います。そうしないと

有能な人材はこの業界に入ってこなくなるのでは。

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